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Jones Day One Firm Worldwide

Global Legal Update Vol. 80 | 2022年6月号

ジョーンズ・デイでは、世界各国に広がる40以上のオフィスが、現地の法令や判例等の最新情報をAlert/Commentary等としてお伝えしています。その中から日系企業に特に関心が高いと思われるものを以下でご紹介します。なお、英文部分の各リンクからAlert/Commentary等の原文をご覧頂けます。

政府規制

ロシア、ウクライナ、ベラルーシに関する制裁のインパクト
Impact of Global Sanctions Regimes Relating to Russia, Ukraine, and Belarus

2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻への対応として、オーストラリア、欧州連合、日本、英国、米国、その他多くの国が、ロシアおよびベラルーシに関する制裁・規制を段階的に強化してきました。これには、機関、国営企業、政治家に対する制裁、債券や株式に関する規制その他広範な金融・投資規制、ロシアが承認したウクライナ東部の「分離独立」地域に関する事実上すべての活動の禁止などが含まれています。また、いくつかの国は、広範な商品、工業製品、ソフトウェア、技術、奢侈品へのアクセスを制限する新たな輸出入規制を課しています。

各国政府がロシアとベラルーシに課した制裁措置には多くの共通点があるものの、制裁内容の厳密な範囲には依然として大きな違いがあります(このことは、複数の国で事業を展開する多国籍企業が、制裁問題に対して単一・共通の方針で臨もうとする場合に、特に問題となります)。

ロシアは多くの対抗措置を講じており、ロシアにおける特定の製品やサービスに対する制限や、ロシアでの事業縮小を検討する外国企業に対する新たな規則等(事業縮小等の行為を、重大な民事上の不利益や刑事罰の対象となる「計画倒産」として扱い得る規制を含みます。)により報復を行っています。

ジョーンズ・デイのグローバル制裁チームその他のプラクティスは、これらの複雑で変化し続ける制裁制度の、クライアントの各種活動(企業運営、従業員の福利厚生、投資等)への適用について、最前線で助言を行っています。このホワイトペーパーでは、クライアントが直面しているビジネス上の重要な影響のいくつかを明らかにします。

ホワイトペーパー内の図表は、主要な制裁措置の動向をまとめたものです。これらの制裁は、その適用において事実関係に依存するところが大きく、また規則や政府指針は急速に変化しています。この表は、ロシア、ベラルーシ、ウクライナに関連して、当該表に記載された国々で実施されているすべての制限を網羅したものではなく、むしろ、当事務所が現在進行中の案件の中で頻繁に直面している制裁等のハイライトであることにご留意ください。


その他、2022年5月は以下の情報をAlert/Commentary としてお伝えしています。

独占禁止法・競争法

2022年6月1日に施行された垂直的サプライチェーンにおける契約に関するEU競争法改正
Updated EU Antitrust Rules on Vertical Supply Chain Agreements Take Effect June 1

商事・不法行為訴訟

製造物責任と公的不法妨害を峻別する判決の取得
Enforcing the Line Between Product Liability and Public Nuisance

事業再編・倒産

明白なルール:連邦倒産法第11章手続における再生計画案は実質的遂行後に修正できない
Bright-Line Rule: No Modification of Substantially Consummated Chapter 11 Plan

フロリダ州地方裁判所:外国人債務者は連邦倒産法第15章手続の適用を受けるために米国内に居住地、資産又は事業所を有している必要はない
Florida District Court: Foreign Debtor Need Not Have U.S. Residence, Assets, or Place of Business to Be Eligible for Chapter 15 Recognition

サイバーセキュリティ・プライバシー・データ保護

コネティカット州、包括的なデータ・プライバシー法を制定する5番目の州になる
Connecticut Becomes Fifth State to Enact a Comprehensive Data Privacy Law

エネルギー

オーストラリアによる水素原産地証明制度の試験導入
Australia's Hydrogen Guarantee of Origin Scheme Enters Trial Phase

メキシコ政府の電力国営化政策が頓挫:リチウム採掘が新たな標的に
Legislative Setback to Electrical Reform in Mexico. New Target: Lithium

ウクライナ侵攻:欧州ガス市場への波及効果
The War in Ukraine: Downstream Ripple Effects on the European Gas Market

フィナンシャル・マーケット

欧州連合における金融商品のグリーンウォッシュ防止基準の更なる明確化
Further Clarifications on Anti-Greenwashing Standards for Financial Products in the European Union

米国証券取引委員会によるESGファンドに関する新たな開示規則の提案
SEC Proposes New Disclosure Requirements for ESG Funds

米国証券取引委員会による気候変動リスクの開示に関する規則案の公表
U.S. Securities and Exchange Commission Releases Proposed Rule on Climate Risk Disclosure

訴訟・紛争解決

シンガポール国際仲裁センター(SIAC)及びシンガポール国際商事裁判所(SICC)における代理人弁護士の条件付報酬に係る規制緩和
Conditional Fee Arrangements Now Permitted in Singapore for SIAC Arbitrations and SICC Proceedings

政府規制

EU委員会が強力な温室効果ガスに対する規制強化に向けた二つの新たな規則を提案
EU Commission Proposes Two New Regulations to Tighten Control on Highly Potent Greenhouse Gases

フランスが広告におけるカーボンニュートラルの表示を規制
France Regulates the Use of Carbon Neutrality Claims in Advertisements

英国が環境に関する新たな企業情報開示を導入
UK Introduces New Climate-Related Disclosure Regulations for UK Companies and LLPs

ペルー左派政権による鉱業への圧力と投資保護
Peru's Struggle to Balance Foreign Investors' Rights and Local Communities' Demands

ヘルスケア・ライフサイエンス

ラベルは最新か?米国農務省(USDA)のバイオエンジニアリング食品開示基準への準拠の確認
Are Your Labels Up to Date? Ensuring Compliance With the USDA’s National Bioengineered Food Disclosure Standard

知的財産

欧州特許の新しい夜明け:単一効特許と統一特許裁判所
A New Dawn for European Patents: The Unitary Patent and the Unified Patent Court

「差止の隙間」を埋める:ドイツ特許法の改正が訴訟を迅速化
Closing the "Injunction Gap": Overhaul of German Patent Act Speeds Up Litigation 

統一特許裁判所からの欧州特許の手数料不要のオプトアウトについて
Fee-Less Opt-Out for European Patents from the UPC

NFT:US、EU、イギリスにおける商標に関する主な検討事項
NFTs: U.S., EU, and UK Key Trademark Considerations

ドイツの特許侵害訴訟における「自動的差止」は、新しい特許法のもとでも健在
Still Alive: The German "Automatic Injunction" in Patent Infringement Cases Under the New Patent Act

不使用を理由とする商標権取消審判:誰が負担を負うのか?
Trademark Revocation Actions for Non-Use: Who Bears the Burden?

証券訴訟・証券法規制執行

米国証券取引委員会の行政手続が違憲である旨の連邦第5巡回区控訴裁判所の判断
Fifth Circuit Finds SEC Administrative Proceedings Unconstitutional

米国証券取引委員会によるESG関連文書における虚偽表明に関する画期的訴訟の提起
SEC Brings Landmark Suit Over Alleged Misrepresentations in ESG-Related Documents

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