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EU AI法:欧州委員会が汎用AI行動規範を公表

EUのAI法は、2025年8月2日から適用される汎用AI(GPAI)モデルに関する規定を含む包括的なリスクベースの規制枠組みを制定しています。特に、AI法では、GPAIモデルのプロバイダーは、AI法に基づく透明性、著作権、及びシステムリスク関連の義務の遵守を証明するために、欧州委員会が採択した行動規範に依拠すると規定されています。

2025年7月10日、欧州委員会はGPAI行動規範を公表しました。透明性、著作権、並びに安全性及びセキュリティの3つの章に分かれているこの行動規範は、GPAIモデルのプロバイダーがAI法の第53条と第55条の遵守を証明するための自主的な枠組みを提供するものです。同規範は、2026年8月2日から施行されるAI法第53条及び第55条を遵守するための詳細なガイダンスを提供しています。

GPAI規範に拘束力はありませんが、EUの規制当局や裁判所が、同規範の遵守をAI法第53条及び第55条の遵守状況を評価する際の参考資料とする可能性が高く、プロバイダーが厳格な審査や最大1,500万ユーロ又は全世界の年間売上高の3%に至る可能性のある罰金を回避するのに役立つと思われます。

2026年8月2日以降、AI法のGPAIモデルに関する要件を満たさない場合、1,500万ユーロ又は企業の全世界の年間売上高の3%のいずれか高い方の金額を含む、多額の罰金が科される可能性があります。2025年8月2日より前にEU市場に投入されたGPAIモデルには、1年間の猶予期間(2027年8月2日まで)が適用されます。

本コメンタリーは、EUのAI法に関する重要なトピックであり、EU市場において汎用AIモデルを提供する日本企業にも大きな影響を有すると考えられることから紹介する次第です。詳細は、Jones Day Commentary “EU AI Act: European Commission Publishes General-Purpose AI Code of Practice”(オリジナル英語版)をご参照ください。

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