Global Legal Update Vol. 130 | 2026年8月号
ジョーンズ・デイでは、世界各国に広がる40のオフィスが、現地の法令や判例等の最新情報をAlert/Commentary等としてお伝えしています。その中から日系企業に特に関心が高いと思われるものを以下でご紹介します。なお、英文部分の各リンクからAlert/Commentary等の原文をご覧頂けます。
サイバーセキュリティ・プライバシー・データ保護
EUサイバーレジリエンス法:24時間以内の報告義務が2026年9月11日より適用開始
EU Cyber Resilience Act: 24-Hour Reporting Duties Start September 11, 2026
欧州委員会は、24時間以内の脆弱性およびインシデント報告義務の適用開始を数週間後に控え、サイバーレジリエンス法に関するガイダンスを公表しました。
2026年7月27日、欧州委員会はEU規則2024/2847号であるサイバーレジリエンス法(Cyber Resilience Act、以下「CRA」)の適用に関するガイダンスを公表しました。同ガイダンスは法的拘束力を有しないものの、市場監視当局および認証機関(ノーティファイドボディ)は、規則の統一的な解釈のために同ガイダンスを参照することが期待されています。同ガイダンスは80ページを超え、実務上の具体例、ユースケースおよびフローチャートが含まれています。
CRAの義務の大半は2027年12月11日から適用されます。ただし、報告義務については2026年9月11日から適用されます。この報告義務は、2027年12月11日以前に既に市場に投入された製品を含め、CRAの適用範囲に属するすべてのデジタル要素を含む製品に適用されます。
製造者は、自社製品において積極的に悪用されている脆弱性、および自社製品のセキュリティに影響を及ぼす重大インシデントについて、欧州連合サイバーセキュリティ機関(European Union Agency for Cybersecurity、以下「ENISA」)の単一報告プラットフォーム(Single Reporting Platform、以下「SRP」)を通じて、ENISAおよびコーディネーターとして指定されたコンピュータセキュリティインシデント対応チーム(CSIRT)に対し、同時に通報しなければなりません。
報告期限は、製造者が認識した時点から起算されます。
- 早期警告:24時間以内
- 通知:72時間以内
- 最終報告:積極的に悪用されている脆弱性については是正措置または緩和措置が利用可能となった後14日以内、重大インシデントについては72時間の通知から1か月以内
製造者は、影響を受けるユーザーに対しても通知しなければならず、適切な場合にはすべてのユーザーに対しても通知しなければなりません。
ガイダンスによれば、製造者が「認識した」とみなされるのは、初期評価を経て、自社製品の脆弱性が積極的に悪用されていること、または重大インシデントにより自社製品のセキュリティが侵害されたことについて、合理的な確度をもって確信するに至った時点です。同ガイダンスは、2026年9月11日以前に製造者が既に認識していた積極的な悪用について、遡及的に報告する義務はないことを確認しています。
CRAの義務に違反した場合、最大1,500万ユーロまたは全世界年間売上高の2.5%のいずれか高い方を上限とする制裁金が科される可能性があります。SRPは2026年9月11日までに運用開始される予定です。
当事務所の以前のアラートである欧州委員会のCRA原案およびCRAの採択に関する記事も併せてご参照ください。
その他、2026年7月は以下の情報をAlert/Commentary 等としてお伝えしています。
独占禁止法・競争法
メキシコの独占禁止法執行機関、6つの戦略的市場でより厳格な姿勢を示す
Mexico's Antitrust Enforcer Signals Tougher Stance in Six Strategic Markets
増大する課題:複数法域にまたがる企業結合の問題解消措置の調整(競争政策インターナショナル(CPI)独占禁止法クロニクル)
A Growing Challenge – Multi-Jurisdictional Merger Remedy Coordination (CPI Antitrust Chronicle)
米連邦取引委員会(FTC)、ハート・スコット・ロディノ法(HSR)違反の疑いで1,200万ドルの制裁金を確保
FTC Secures $12 Million in Penalties for Alleged HSR Violation
事業再編・倒産
EU、倒産法の整合性確保に関する指令を採択:主要な論点およびドイツへの影響
EU Adopts Directive on the Harmonization of Insolvency Law: Key Aspects and Implications for Germany
サイバーセキュリティ・プライバシー・データ保護
EUサイバーセキュリティ法2、加盟国のEU権限に関する懸念の中で前進
EU Cybersecurity Act 2 Advances Amid Member States’ Concerns Over EU Competence
エネルギー
エネルギー分野におけるプロジェクトファイナンス、Holdcoファイナンスおよび純資産価値(NAV)ファシリティ:キャピタルスタックをどう組み立てるか
Project Finance, Holdco Finance and NAV Facilities in Energy: How the Capital Stack Fits Together
ESG (環境・社会・ガバナンス)
欧州委員会、森林破壊防止規則の簡素化パッケージを完成
EU Commission Completes Deforestation Regulation Simplification Package
SB 253(気候変動企業データ説明責任法)の2027年規則が具体化:カリフォルニア州大気資源局(CARB)が7月のワークショップでプレビューした内容
SB 253's 2027 Rules Take Shape: What CARB Previewed At Its July Workshop
非EU企業グループに対する企業サステナビリティ報告指令(CSRD)につき、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)が報告基準案を公表
CSRD for Non-EU Groups: EFRAG Issues Draft Reporting Standards
EU強制労働防止ガイドライン:実質的な義務的デュー・ディリジェンスか?
EU Forced Labor Guidelines: Mandatory Due Diligence in Disguise?
フィナンシャル・マーケット
固定的なルーティングから最良執行へ:米国証券取引委員会(SEC)によるNMS規則一部撤廃提案の上場株式およびオンチェーン市場への影響
From Rigid Routing to Best Execution: SEC Proposal Could Reshape Listed Equities and On-Chain Markets
香港、仮想資産への投資に関する規制を強化
Hong Kong Tightens Rules on Investments in Virtual Assets
政府規制
EUにおける対内投資審査:改正規則が2028年に発効
Foreign Investment Screening in the EU: Revised Regulation to Take Effect in 2028
調査・企業犯罪
サパンII法:フランス腐敗防止庁(AFA)制裁委員会による初の制裁金の賦課
Sapin II: First Financial Penalties Imposed by the AFA Sanctions Committee
上訴審訴訟
米連邦最高裁判所、憲法に定められた過大な罰金を禁止する条項に基づく違憲主張に対する審査基準を判断へ
U.S. Supreme Court to Decide Standard for Analyzing Excessive Fines Clause Challenge
不動産
英国、2026年情報提供(契約上の土地の支配権限に関する登記所への情報提供義務)規則を制定
UK Issues the Provision of Information (Contractual Control) (Registered Land) Regulations 2026
証券訴訟・証券法規制執行
米国第2巡回区連邦控訴裁判所、遅れて発生しかつ市場に連動した株価の下落は損害との因果関係を否定すると判示
Second Circuit Holds that Delayed, Market-Tracking Stock Drop Dooms Loss Causation
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