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Innovative Insights: Legal Updates in Life Sciences

M&A取引におけるアーンアウト:デラウェア州における最近の判決

2024年、デラウェア州の裁判所は、ライフサイエンス分野のM&A取引におけるアーンアウト条項について、複数の示唆に富む判決を下しました。これらの判断は、以下の重要な点を強調しています。

  • アーンアウト条項およびマイルストーン条項は、しばしばクロージング後の紛争をもたらしています。規制対応部門や財務部門(該当する場合)の意見を反映した、明確かつ正確な文言が非常に重要となります。
  • 買収者は、対象企業のアーンアウト義務について責任を負う可能性があり、このことからデューデリジェンスの一環として、対象企業の潜在的なアーンアウト義務およびその義務を遂行するために対象企業が講じた努力を評価することの必要性が重視されます。
  • 買主は、アーンアウトの支払対象となる買収プログラムに関する措置を講じた商業上の理由の記録を保持する必要があります。
  • アーンアウト条項を策定する際は、買手がマイルストーンを達成するために果たすべき努力の程度(ある場合)を慎重に検討し、適用される基準を満たすにあたり、買主が自らの利益をも考慮できるかどうかを明示的に規定する必要があります。
  • 独立した当事者を「専門家」として起用し、当事者に対し最終的かつ拘束力を有するものとして、適切かつ明確に規定されたアーンアウトに関する紛争解決条項は、強制可能です。
  • 費用負担の転換を意図する場合は、明確に規定する必要があります。

本ニュースレターは、米国でデラウェア州法人を介して事業を行う日本企業にとって重要なトピックと考えられることから紹介する次第です。詳細は、Jones Day Newsletter “Earnouts in M&A Transactions: Recent Decisions From Delaware” (オリジナル英語版)をご参照ください。

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