Jones Day One Firm Worldwide

Global Legal Update Vol. 66 | 2021年4月号

ジョーンズ・デイでは、世界各国に広がる40以上のオフィスが、現地の法令や判例等の最新情報をAlert/Commentary等としてお伝えしています。その中から日系企業に特に関心が高いと思われるものを以下でご紹介します。なお、英文部分の各リンクからAlert/Commentary等の原文をご覧頂けます。

サイバーセキュリティ・プライバシー・データ保護

バージニア州、包括的データプライバシー法を制定する2番目の州となる
Virginia Becomes the Second State to Enact a Comprehensive Data Privacy Law

バージニア州は、アメリカの州で包括的データプライバシー法を制定する2番目の州となりました。2021年3月2日、草案がバージニア州議会を通過した後、ラルフ・ノーサム州知事が、バージニア州消費者データ保護法(「本法」)に署名しました。本法は2023年1月1日に施行されます。

本法は、バージニア州で事業を行っている、又はバージニア州の住民をターゲットにした商品もしくはサービスを提供する事業者であって、かつ(i)1年間に100,000人以上のバージニア州消費者の個人データを管理もしくは処理する、又は(ii)25,000人以上のバージニア州消費者個人データを管理もしくは処理し、総収益50%以上が個人データの販売によるものである事業者に適用されます。

本法は、カルフォルニア州消費者プライバシー法(「CCPA」)やEUの一般データ保護規則から、多くのデータ保護原理を採用しています。例えば、本法は、「コントローラー」(個人データの処理を決定する者)と「プロセサー」(コントローラーに代わって個人データを処理する者)の義務を規定しています。また、本法は、個人データを「特定の又は特定できる自然人とリンクする又は合理的にリンクできる情報」と定義しています。

本法では、コントローラーの義務は下記を含みます。

  • 様々な処理活動をプライバシー通知で開示する。
  • 消費者に関する「機微データ」の収集及びその他の処理を行う前に明確な同意を得る。
  • ターゲット広告のための処理、機微データの処理、消費者への損害リスクが高まる処理など、特定の処理活動のデータ保護評価を行う。
  • 合理的な事務的、技術的、物理的データ安全管理の維持。
  • 消費者の次に列挙する権利行使の要求への対応:個人データへのアクセス権;個人データの写しを取得する権利;間違いを訂正する権利;個人データ消去の権利;ターゲット広告、消費者に関する重大な決定において使用するプロファイリング、及び個人データ売却の目的で個人データを処理することからオプトアウトする権利。

CCPAとは違い、特定のデータ違反に対する個人の提訴権は本法に定められていません。バージニア州司法長官が本法を執行する排他的権限を持ちます。本法によると、違反者は30日間の是正期間が与えられます。その期間に違反が是正されなければ、司法長官は、各違反につき最高7,500ドルの罰金を科すことができます。

フィナンシャル・マーケット

米国証券取引委員会による気候変動関連の開示規制の見直し
SEC to Review Climate-Related Disclosure: The Start of Things to Come

2021年2月24日、米国証券取引委員会(以下「SEC」といいます。)の委員長代理アリソン・ヘレン・リー氏は、気候変動に関連する開示規制の検討に関する声明を公表しました。同声明において、リー氏は、SECの企業財務部(Division of Corporation Finance)に対し、公開企業の提出書類における気候変動に関連する開示につき、より焦点を当てるよう指示しました。その一環として、SECスタッフは、SECが2010年に公開企業に対して提示した、気候変動に関連する事項に適用される開示規制に関するガイダンスにつき、その後10年間の進展を考慮して、更新することを予定しています。

現在、SECの委員は概ね2対2で割れており、新委員長が選任されるまでの間は、当該分野における主要な規則改正が、委員会レベルにおいて正式に提案又は採択される可能性は低いと考えられます。実際、ジョー・バイデン大統領がSEC委員長に指名したゲーリー・ゲンスラー氏が選任された場合、同氏が決定票を投じることになります。ゲンスラー氏のリーダーシップの下、ESG情報開示に関する規制の強化、より具体的には、気候変動に関連する開示を義務付ける規則の制定等、ESGに関する問題への注目度が高まることが予測されます。

なお、日本においても、金融庁及び東証が設置した有識者会議において近時提示されたコーポレートガバナンス・コード改訂案において、プライム市場(現在の東証第一部に相当)上場会社に対し、気候変動に係るリスク等の開示を促すなど、同様の動きが見られています。


その他、2021年3月は以下の情報をAlert/Commentary としてお伝えしています。

事業再編・倒産

ワシントン州の破産裁判所がチャプター11における再建計画の免責条項の有効性を承認
Washington Bankruptcy Court Approves Chapter 11 Plan Exculpation and Release Provisions

従業員福利厚生・役員報酬

米国証券取引委員会の会社及び前CEOとの和解の含意:役員福利厚生への注目
SEC Settlement with Company, Ex-CEO Signals Continued Focus on Executive Perks

フィナンシャル・マーケット

ESG問題及び金融システム上の気候変動リスクへ注力することを示す米国商品先物取引委員会による新ユニットの設置
New Unit Signals CFTC Targeting ESG Issues and Financial System's Climate Risks

米国証券取引委員会検査部によるデジタル資産証券への注力方針の再確認
SEC's Division of Examinations Reiterates Focus on Digital Asset Securities

訴訟・紛争解決

英裁判所が多段階紛争解決条項(仲裁条項)の不順守について判断
"Not a Cat’s Chance in Hell": English Court Clarifies Approach to Escalation Clauses

政府規制

米国国際通商裁判所、「ファーストセール」ルールの適用に関する重要な決定を下す
CIT Issues Important Decision on the Application of the "First Sale" Rule

米国商務省の規則により「外国の敵対者」が関与する情報通信技術・サービス取引の審査が可能となる
Commerce Department Rule Authorizes Review of ICTS Transactions Involving "Foreign Adversaries"

選挙後の環境政策の変化に対応した予想される米国州司法長官の行動
Expected State Attorney General Action in Response to Post-Election Environmental Policy Change

保険補償

企業は、政府の召喚状に対応するにあたり、潜在的な役員賠償責任保険の適用を見逃すべきでない
Companies Should Not Overlook Potential D&O Coverage When Responding to Government Subpoenas

知的財産

2020年末レビュー:世界における営業秘密に関する重大な進展
2020 End-of-Year Review: Key Global Trade Secret Developments

調査・企業犯罪

英国最高裁判所、重大不正捜査局の域外権限を制限
UK Supreme Court Limits Serious Fraud Office's Extraterritorial Powers

労働・人事

コロナウイルスワクチン接種に係るヨーロッパ雇用者の留意事項
COVID-19 Vaccinations and Considerations for European Employers

ロバート・アンドレス・ボンタ氏をカリフォルニア州司法長官に指名
Robert Andres Bonta Selected as California Attorney General

M&A

デラウェア州衡平法裁判所、「極端な」特徴のトリガーの基準を5%とするポイズンピルを無効とする
Delaware Chancery Court Strikes 5% Poison Pill With "Extreme" Features

ラテンアメリカのM&A-今後1年の展開:活動と傾向
Latin America M&A—the Year Ahead: Activity and Trends

証券訴訟・証券法規制執行

レギュレーションFDに関する再注目を集める近時の米国証券取引委員会によるAT&T社の提訴
SEC's Recent Charges Against AT&T Give Renewed Focus to Reg FD

税務

フランス:従前の判例を破棄し、恒久的施設の定義を拡張
France Expanding Tax Permanent Establishment Definition, Overturning Previous Case Law

ジョーンズ・デイの出版物は、特定の事実関係又は状況に関して法的助言を提供するものではありません。本書に記載された内容は、一般的な情報の提供のみを目的とするものであり、ジョーンズ・デイの事前の書面による承諾を得た場合を除き、他の出版物又は法的手続きにおいて引用し又は参照することはできません。出版物の転載許可は、www.jonesday.comの“Contact Us”(お問い合わせ)フォームをご利用ください。本書の配信、および受領により弁護士と依頼人の関係が成立するものではありません。本書に記載の見解は執筆担当者の個人的見解であり、当事務所の見解を反映したものではありません。

 
*We use cookies to deliver our online services. Details of the cookies and other tracking technologies we use and instructions on how to disable them are set out in our Cookies Policy. By using this website you consent to our use of cookies.