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ジョーンズ・デイ・アラート:米国、自動運転車両に関する初の連邦規制法案が委員会を通過

先行するアラート(「米国連邦議会における自動運転車両についての実用化の動き」)で紹介した通り、2017年7月19日、自動運転車両に関する初めての連邦レベルの規制法案が米国下院エネルギー・商事委員会(U.S. House of Representatives Committee on Energy and Commerce)に提出されました。そのわずか8日後の同月27日、同法案は、主に以下の4点の修正が加えられた上で、米国下院エネルギー・商事委員会により承認され、米国連邦議会下院に提出されました。

①プライバシー: 高度に自動化された車両(HAV: Highly Automated Vehicle)の製造者に対して、同車両の所有者又は使用者に関する情報の取得及び使用に関する当該製造者における運用について、消費者に通知することを求めるといった、プライバシーの問題を直接取り上げるようにした点
②優先性: 原案と同様に、車両登録や運転免許といった伝統的な分野について、州の規制が本法に優先するとした点に加え、HAVのディーラーについての州の規制についても本法に優先するとした点、HAVの取り扱いに関し、州がより高度のパフォーマンス要件を設定することを認めた点、HAV基準に従ったとしてもなお、コモン・ロー上の責任を負いうることを明確にした点
③免除: 安全性が損なわれない限り、自動運転車両にも連邦自動車安全基準(Federal Motor Vehicle Safety Standards)の適用の免除を認めるものの、その具体的台数について、3年間毎年10万台といった原案の定め方から、1年目は2万5000台、2年目は5万台、3、4年目は10万台といったように毎年増加させる定め方へと修正された点
④HAVに関する規制及び基準: 運輸省国家道路交通安全局(Department of Transportation and National Highway Traffic Safety Administration)が策定する予定のHAVに関する規制や基準の成立時期について、新たな見通しを示した点

本アラートは、自動車産業に限らず自動運転技術に関心を有する日本企業等にとっても米国での自動運転車両の実用化に関する実務の動向を知る上で有用な情報であることから、紹介する次第です。詳細は、Jones Day Alert “SELF DRIVE Act Cruises from Committee to Full House”(オリジナル(英語)版)をご参照ください。