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ジョーンズ・デイ・アラート:デラウェア州最高裁判所によるMAE(Materially Adverse Effect)条項に関する画期的な判決

デラウェア州最高裁判所は、MAE(Materially Adverse Effect)の発生による合併契約の解除を認めた同州衡平法裁判所の意見を承認しました。なお、衡平法裁判所においては、①対象会社の業績の急激な悪化により、対象会社にはMAEが発生している、また、②対象会社による規制遵守に関する表明保証の違反はMAEを発生させる程度のものであり、相手方は合併契約の解除権を有する旨の判断がなされていました。

このような衡平法裁判所の意見と最高裁判所による当該意見の承認は、MAE(Materially Adverse Effect)の発生を認定し、当事者がM&A取引の実行を回避することを許容した最初のデラウェア州の裁判所の判断として注目に値するものです。ただし、MAE(Materially Adverse Effect)の発生が認められるためのハードルは依然として非常に高いといえます。しかし、状況が整えば、当事者はMAE(Materially Adverse Effect)を主張することで取引を回避することが可能となります。

本アラートは、M&Aにおける典型的な契約条項であるMAE条項の適用に関し、MAEの発生を認めたデラウェア州最高裁判所における最初の判断であり、日本企業のM&A戦略にも参考になるところがあると考えられることから、紹介する次第です。詳細は、Jones Day Alert “Delaware Supreme Court Affirms Landmark MAE Ruling”(オリジナル(英語)版)をご参照下さい。