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ジョーンズ・デイ・コメンタリー:トランプ政権が大幅減税プランを公式発表

トランプ政権は、2017年4月26日、法人及び個人双方について大幅な減税を求める税制改革プラン(「本プラン」といいます。)を公式に発表しました。税制改革の実現には議会の承認が不可欠ですが、本プランは、今後の議会との交渉において核となる原則をまとめたものです。本プランによって提案された主要な税制改革の内容は以下のとおりです。

①法人所得税の税率を35%から15%に引き下げ
②パートナーシップやSコーポレーションなど、いわゆる「パススルー」団体が獲得する事業所得について、15%の軽減税率を適用
③外国の子会社を通じて得た所得について、これまで獲得した所得については一度限りの税を課す一方、将来の所得については「テリトリアル方式」を適用(一般に、「テリトリアル方式」の下では、外国の子会社を通じて得た所得やそこから本国に支払われる配当について、本国での課税対象外となる)
④個人所得税の税率区分を三つ(10%、25%及び35%)に簡素化し、個別の経費控除(itemized deductions)を原則廃止して基礎控除(standard deduction)を二倍に拡大
⑤個人が獲得するキャピタルゲイン及び適格配当所得の適用税率を20%とし、純投資所得に対して課されている3.8%の特別税を廃止
⑥遺産税の廃止

本プランは、トランプ氏が大統領選において主張していた税制改革案に類似するものですが、本プランではファンドマネジャー等が得る成功報酬(キャリード・インタレスト)に対する課税の見直しに言及していないなどの違いも指摘されています。また、下院共和党が主張する国境調整税(border adjustment tax)について、本プランでは言及していないことにも留意が必要です。

詳細は、Jones Day Commentary "Trump Administration Proposes Substantial Reduction in Business and Individual Income Taxes"(オリジナル(英語)版)をご参照ください。