ジョーンズ・デイ・コメンタリー:コンピュータにより実施される発明の特許適格性に関する米国連邦最高裁の新たな判決
米国連邦最高裁は、本年6月19日、Alice Corp. v. CLS Bank事件について判決を下し、控訴審である連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)の大法廷判決を支持して、Alice Corporationが有する、コンピュータによって実施される中立的機関を利用した金融取引の方法に関するクレーム、かかる方法を実行するよう設定されたコンピュータシステムに関するクレーム及びかかる方法を実施するプログラムを含む記録媒体に関するクレームについて、いずれも抽象的なアイデアを対象とするものであって、米国特許法第101条の適用上、特許適格性を有しないと判示しました。本判決は、米国連邦最高裁が抽象的アイデアに関する発明の特許適格性の判断において、同裁判所が2012年のMayo v. Prometheus事件において示した二段階の判断枠組みを踏襲し、①問題とされる特許クレームが抽象的アイデアを対象とするものであるか、②クレームされた抽象的アイデアを特許適格性が認められる応用に変容させ得るに足りる「独創的なコンセプト」が当該クレームに含まれているか、というテストを採用した点で注目されます。また、本判決は、コンピュータにより実施される発明のうちいかなるタイプのものが米国特許法第101条の特許適格性要件を満たし得るかという問題について、米国連邦最高裁がここ30年以上の期間において初めて明示的な判断をしたものとして重要であり、特にコンピュータ産業界に大きな影響を及ぼすことが予想されます。
詳細は、Jones Day Commentary "Alice Corp. v. CLS Bank: Did the Supreme Court Sign the Warrant for the ‘Death of Hundreds of Thousands of Patents’?" (オリジナル(英語)版)をご参照ください。
また、関連する記事として、本事件の控訴審であるCAFCの大法廷判決に関する過去のJones Day Commentary “CLS Bank: Is This the ‘Death of Hundreds of Thousands of Patents’?” (オリジナル(英語)版)も併せてご参照下さい。
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