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日本の裁判所がカスタマーレビュー・アルゴリズムの変更を優越的地位の濫用と認定

東京地方裁判所は、2022年6月16日の判決において、レストラン・レビュー・プラットフォームによる一方的な格付けアルゴリズムの変更が、独占禁止法上の優越的地位の濫用に該当することを判示しました。

東京地方裁判所は、2022年6月16日の判決において、レストラン・レビュー・プラットフォームによる一方的な格付けアルゴリズムの変更が、独占禁止法上の優越的地位の濫用に該当することを判示しました。

日本の独占禁止法は、優越的地位の濫用を含む広範な「不公正な取引方法」の禁止を定めており、これは欧州の競争法における「市場支配的地位の濫用」(abuse of dominance)とは異なる日本独自の規制です。ある事業者が、自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、相手方の不利益となるように取引の条件を設定若しくは変更し、又は取引を実施することは、優越的地位の濫用として禁止されます。これにより損害を受けた当事者は、公正取引委員会に通報するほか、民事訴訟により損害賠償を請求することが可能です。従来、この規定の典型的な適用事例としては、大規模小売業者による小規模な納入業者に対する、事後の値引きや返品の強要があげられました。しかし、近年、公正取引委員会は、同規定の適用を拡大し、コンビニエンスストアのフランチャイザーによる加盟店に対する24時間営業の要求や、オンラインモールの出店者に対する送料無料の要求についても、優越的地位の濫用に該当し得るものとしています。このような優越的地位の濫用の規定に対しては、しばしば、曖昧で、自由市場における競争に過剰に干渉するものという批判がなされています。

本件においては、レストランレビューサイトを運営する食べログが、口コミの星の数による5段階の評価を決定するアルゴリズムを変更し、小規模な店舗を優遇してチェーン店が一律に減点されるような設定を行ったところ、広告、アナリティクス、予約サービスといった食べログの有料サービスを利用する原告レストラン運営会社が、顧客の減少による損失を被ったことを主張し、これが裁判所により認められました。

この事例は、近年の公正取引委員会によるデジタルプラットフォームへの関心の高さを映し出すものであり、これは、世界各国の競争当局の動向と軌を一にするものです。本件において、公正取引委員会は裁判所の要請により意見書を提出し、アルゴリズムの変更が被告のサービスに依存している利用者との関係で優越的地位の濫用に該当し得るという見解を表明しました。本件は、デジタルプラットフォームの一方的なアルゴリズムの変更が違法と評価された日本で最初の事例であり、原告の請求が一部認容されたことから、今後も類似の事案が発生することが予想されます。そのため、デジタルプラットフォームは時として難しい選択に迫られることとなります。すなわち、プロダクトを改善し、ユーザーエクスペリエンスを向上することが、公正取引委員会や損害を受けた当事者からの独占禁止法違反の主張につながる可能性があります。このような状況において、アルゴリズムの変更を行うデジタルプラットフォームは、異なるステークホルダーの関心を検証し、それによる消費者、ステークホルダー双方の利益を明らかにする必要があります。

なお、本件においては、原告、被告双方が東京高等裁判所へ控訴したため、判決は確定していません。

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