ジョーンズ・デイ・アラート:特許訴訟での三倍賠償ルールを覆す米国最高裁判決

2016年6月13日、米国最高裁判所は、特許権侵害訴訟に関する根本的問題に関して、またもや連邦巡回裁判所判決を覆しました (Halo Electronics, Inc. v. Pulse Electronics, Inc., No. 14-1513, Stryker Corp. v. Zimmer, Inc., No. 14-1520と併合(「Halo判決」))。Halo判決以前において、巡回裁判所では、米国特許法284条の三倍賠償請求を認めるためには、故意侵害の立証が必要条件とされていました。さらに、シーゲート事件連邦巡回裁判所大法廷判決 (In re Seagate Technology, LLC, 497 F.3d 1360, 1371 (Fed. Cir. 2007) (en banc))において、故意侵害の有無を決定するための2段階テストが確立されていました。すなわち、第1として、侵害者の行為が客観的に無謀であったか否か、次に、客観的に無謀であったと認められた場合に、侵害について主観的に故意が認められるか否かという点を審理するものです。

Halo判決は、このシーゲートの基準が法文と一致しておらず、不当に厳格であり、裁判所の裁量を妨げるものであるとして、否定しました。また、故意侵害の認定に従来連邦巡回裁判所が採用していた「明白かつ確信を抱くに足る証拠(clear and convincing evidence)」原則ではなく、「証拠の優越(preponderance of the evidence)」原則により判断されるべきものとしました。

Halo判決は、近年の最高裁判決と比べて特許権者に有利な方向性を示した稀なケースであり、従来に比べて、特許権者は、増額損害賠償を主張しやすくなります。この判決は、米国において特許侵害訴訟の当事者となる日本企業にとって、実務的に重大な影響がある判例でありますので、紹介します。

詳細は、Jones Day Alert “Supreme Court Upends Law of Treble Damages in Patent Cases”(オリジナル(英語)版)をご参照ください。

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