ジョーンズ・デイ・コメンタリー:米国アーニング・ストリッピング最終規則の公表
米国財務省は、2016年10月13日、米国税法上、一定の場合に負債を資本とみなし、支払利子の損金算入を否定するアーニング・ストリッピング最終規則(以下「本最終規則」といいます。)を公表しました。本最終規則は、2016年4月4日に公表された規則案 (以下「本規則案」といいます。)に比べ、納税者の事務負担軽減等の観点から、その適用範囲を大幅に縮小していますが、本規則案の基本的な構造自体は踏襲しています。とりわけ、日本企業を含む外国会社が米国に子会社を有する場合に、当該米国子会社が親会社その他の関連外国会社に対して負う一定のグループ内債務が、本最終規則の適用対象となり得る点は、依然注意が必要です。
本規則案の主要なルールの一つであった、特定の取引に際して発生した一定のグループ内債務を資本とみなすというルール(以下「取引ルール」といいます。)は、一定の債務が(1)一定の関連者間における株主に対する分配(distribution)として発生した場合(子会社が親会社に対して債務性証券を現物分配する場合等)、(2)一定の関連者間における株式取得の対価として発生した場合、又は(3)一定のグループ内組織再編に際し非適格対価(boot)として発生した場合に適用されるものであり、本最終規則でも基本的に維持されています。また、上記以外の貸付による金銭の授受であっても、その主要な目的の一つが上記分配や取得の資金調達であったと認められる場合には、当該貸付による負債は資本とみなされる可能性があり、上記分配や取得の36カ月前後内に債務が発生した場合、かかる分配や取得を主要な目的としたものとみなし、反証を許さないというルールもあります。
取引ルールは、2016年4月4日より後の日に発生したグループ内債務に対して適用されますが、2016年4月4日より後の日で、本最終規則が連邦官報(Final Register)に掲載された日(2016年10月21日)から90日後の日(2017年1月19日)までの日に発生したグループ内債務については、2017年1月19日満了直後に資本とみなされます。そのため、既存のグループ内債務を有する納税者には、取引ルールによって資本とみなされる日までに、一定の猶予期間が与えられることになります。
また、本規則案のもう一つの主要なルールであった、一定のグループ内債務が債務としての性質を維持するために、特定の文書化及び分析が適時に行われることを要求するというルール(以下「文書化ルール」といいます。)についても、本最終規則の下で維持されていますが、適時要件の緩和等、重要な修正が行われています。特に文書化ルールの適用日が延期されており、2018年1月1日以後に発生する債務に適用されることとなりました。納税者にとっては、文書化ルールへの対応のために更なる準備期間が用意されたことになります。
詳細は、Jones Day Commentary “Treasury Releases Final Debt/Equity Regulations” (オリジナル(英語)版)をご参照ください。
本規則案の主要なルールの一つであった、特定の取引に際して発生した一定のグループ内債務を資本とみなすというルール(以下「取引ルール」といいます。)は、一定の債務が(1)一定の関連者間における株主に対する分配(distribution)として発生した場合(子会社が親会社に対して債務性証券を現物分配する場合等)、(2)一定の関連者間における株式取得の対価として発生した場合、又は(3)一定のグループ内組織再編に際し非適格対価(boot)として発生した場合に適用されるものであり、本最終規則でも基本的に維持されています。また、上記以外の貸付による金銭の授受であっても、その主要な目的の一つが上記分配や取得の資金調達であったと認められる場合には、当該貸付による負債は資本とみなされる可能性があり、上記分配や取得の36カ月前後内に債務が発生した場合、かかる分配や取得を主要な目的としたものとみなし、反証を許さないというルールもあります。
取引ルールは、2016年4月4日より後の日に発生したグループ内債務に対して適用されますが、2016年4月4日より後の日で、本最終規則が連邦官報(Final Register)に掲載された日(2016年10月21日)から90日後の日(2017年1月19日)までの日に発生したグループ内債務については、2017年1月19日満了直後に資本とみなされます。そのため、既存のグループ内債務を有する納税者には、取引ルールによって資本とみなされる日までに、一定の猶予期間が与えられることになります。
また、本規則案のもう一つの主要なルールであった、一定のグループ内債務が債務としての性質を維持するために、特定の文書化及び分析が適時に行われることを要求するというルール(以下「文書化ルール」といいます。)についても、本最終規則の下で維持されていますが、適時要件の緩和等、重要な修正が行われています。特に文書化ルールの適用日が延期されており、2018年1月1日以後に発生する債務に適用されることとなりました。納税者にとっては、文書化ルールへの対応のために更なる準備期間が用意されたことになります。
詳細は、Jones Day Commentary “Treasury Releases Final Debt/Equity Regulations” (オリジナル(英語)版)をご参照ください。