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ジョーンズ・デイ・コメンタリー:複数の被告に対するオーストラリアのクラスアクション開始要件

オーストラリアのクラスアクション法は,連邦裁判所でクラスアクションを開始するためには7名以上が同一の者に対する請求をするものでなければならないという要件を設けます。しかし,被告が複数となるクラスアクションにおけるこの要件の解釈については,全てのクラスメンバーがそれぞれの被告に対して請求をするものでなければならないと解すべきか(狭義説)と,単にクラス代表がそれぞれの被告に対する請求をするものであれば足りると解するか(広義説)とで解釈が分かれており,2003年以降の多数の連邦裁判所の判決でも結論が分かれています。直近の判断は,2014年5月2日のグレイ対キャッシュ・コンバーターズ・インターナショナル事件におけるファレル判事の判断です。この判決は狭義説のアプローチを採用していますが,残念ながらこの判決によって直ちに議論が収束するというものではありません。
日本企業がオーストラリアのクラスアクションの被告とされる例も報告されるなか,結論によっては日本企業が巻き込まれるリスクが高くなる可能性も懸念されることから紹介するものです。

詳細は、Jones Day Commentary "Commencement Requirements Relaxed for Australian Class Actions?" (オリジナル(英語)版)をご参照ください。

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