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ジョーンズ・デイ・ホワイト・ペーパー:CFIUSの近況-「進化」から「革新」へ

February 2018


対米外国投資委員会(以下「CFIUS」)にとって2017年は、以下に掲げるような理由から進化の年であったと言われています。

1. 届出数の著しい増加:2016年の172件から2017年は238件に
2. (正式届出までの届出前相談期間の長期化等に伴う)総体的な審査期間の長期化
3. 第二次審査への移行割合の増加:2015年及び2016年の46%から2017年は約70%に
4. 届出の取下げ及び再提出がなされた取引の増加:2014年の12件、2015年の13件、2016年の27件から2017年は35件に
5. 禁止又は中止された取引の増加:2015年の5件、2016年の12件から2017年は少なくとも18件に(ただし、いずれも推定値)
6. 中国による投資に対する厳格な審査の実施
7. 是正措置が課された取引の増加:2016年の約10%から2017年は約20%へ

他方、2018年は、CFIUSにとって革新的な年になるのではないかと言われています。なぜならば、上下両院の超党派議員が2017年11月に提出した外国投資リスク審査近代化法案(Foreign Investment Risk Review Modernization Act)(以下「FIRRMA」)が、今年中に成立する可能性が高まっており、その場合、CFIUSに関する法制及び実務が大幅に変更されることになるためです。

FIRRMAの内容は多岐にわたりますが、その主なものは以下の通りです。なお、詳細は今後制定される施行規則において定められる予定です。

1. CFIUSによる審査の対象となる取引範囲の拡大
米国の重要なテクノロジー企業がジョイント・ベンチャー等を通じて外国企業に対して知的財産及び関連する支援を提供する行為(ただし、通常の顧客関係に基づく行為を除きます。)、外国企業による米国の重要なテクノロジー企業又は重要なインフラストラクチャー企業への投資(ただし、パッシブ投資を除きます。)などの取引が、新たにCFIUSによる審査の対象となります。

2. 特定の国が関係する取引についての適用除外
取引を行う外国企業が、施行規則において列挙される国の企業である場合、CFIUSは、当該取引につき、審査対象となる取引から除外できるようになります。

3. 一定の取引についての義務的届出(Declaration)制度の創設
現在の任意の届出制度に加え、一定の取引(外国政府が25%以上の持分を有する外国企業による米国企業の持分25%以上の取得等)については、CFIUSに対する届出が義務付けられることになります。

4. 審査期間の延長
第一次審査の期間が30日から45日に延長されます。また、例外的な場合、第二次審査の期間(45日間)をさらに30日間延長できる(したがって、第一次審査と第二次審査を合わせた審査期間は最長120日となる)ようになります。

5. 届出手数料
届出につき、取引金額の1%相当額又は300,000ドルのいずれか低い額の手数料が課されることになります(現在は届出手数料なし)。

本ホワイト・ペーパーは、米国企業の買収に関心を有する日本企業にとって有用な情報ですので、紹介します。詳細は、Jones Day White Paper “CFIUS: Evolution Yields to Revolution” (オリジナル(英語)版)をご参照下さい。

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